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【ISO/IEC17025規格に準拠した校正の現実問題 その1】

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校正のトピックスNo.18
【ISO/IEC17025規格に準拠した校正の現実問題 その1】

校正から見た「計測器の管理」

最近、ISO/IEC17025での校正を要望されるお客様からのお問い合わせが増え
  ています。
先日も、TS規格で運営されている企業と取引されているお客様から、「取引先
  から17025準拠の校正が必須という要求があり、対応出来る校正先を捜し
  ているが、なかなか見つからなくて困っている」との問い合わせでした。
数々のお客様を通して分かったことは、次の2点
 1.TS規格の審査機関によって、外部校正の判断基準が異なるらしいこと
 2.17025規格の校正は理想的だが、実現には大きな問題があること
多くのお客様が、17025規格は何を言っているかは十分理解されないまま
 何でも17025に準拠した校正を要望され、その対応に困惑されている現実
 は、TS規格絡みの企業に蔓延した問題点と言えます。
当社は、嘗てJAB認定の「校正試験所」資格をもって業務を展開しようとして
 いましたが、TS規格の適用のいい加減さに嫌気がさし、17025規格の業務
 を停止した経験を持っています。

国内におけるISO/IEC17025規格に準拠した校正の現実問題を「技術面」
 「校正依頼先の面」から問題提起し、それに対応する現実的なご提案を、3回
 に分けてお伝えしていきます。
  1.技術面の現実問題
  2.校正依頼先の現実問題
  3.お客様の「TS規格に対する校正はどうしたらいいのか?」という現実
    問題に対する当社からの提案

第1回目は、「技術面の現実問題」を具体的に見ていきます。

ISO/IEC17025規格の技術的要求事項は・・・?


ISO/IEC17025規格の技術的要求事項は、以下の通りです。
      (ISO/IEC17025:2005 第5項「技術的要求事項」より抜粋)
【5.1 一般】
  校正の正確さ及び信頼性(=測定の不確かさ)は、次の要因から決定される
【5.2 要員】
  校正に携わる要員に力量が有ることを確実にすること・・・
【5.3 施設及び環境条件】
  校正施設や環境が、校正結果を無効にしたり悪影響を及ぼさないよう監視、
  制御、記録すること。・・・ 試験所以外(現場)で行う場合は、特別な
  注意を払うこと。・・・校正結果を危うくする場合は校正を中止すること。
【5.4 試験・校正の方法及びその妥当性確認】
  適切な方法と手順で行うこと。校正の目的にあっていることを証明すること
  測定の不確かさを算出すること。・・・
【5.5 設備】
  適切な校正が出来る設備をもち、適切に管理、維持すること・・・
【5.6 測定のトレーサビリティ】
  校正に使用する測定器だけでなく、それに纏わる設備や装置、標準物質など
  また、その取扱いに関してもトレーサブルといえるだけの客観性があること。・・・
   ・・・等々10項目にわたって、こと細かく取り決められています。

ISO/IEC17025規格は、実験室的な要求


測定値が1桁、2桁も違うハイレベルな校正業務を行う実験室であれば、必要
 なことかも知れません。しかし、規格を詳細に見ると、実に非生産現場的な
 内容を含んでいると想います。

例えば、5.3で要求している環境は、温度や湿度を一定の幅で制御された特定
 の空間となりますが、現場で「校正結果を危うくする場合は、校正を中止
 する」ことにならない為の環境をつくるには、相当な工夫や努力が必要にな
 る?という懸念。また、そのコストを考えると尚更???となってしまいます。

各項目が求めている技術的な要点は、測定値に対する「不確かさ」を求める
 ことにあると思いますが、お客様の生産現場の機器による品質管理にどれだけ
 意味あるものなのかは、正直なところ分かりません。

技術的な要求を校正費で比較すると・・・


主な測定器の校正費(サンプル価格(某社))は、次の通りです。

kakakuhyou1.GIF
(17025対応校正費は、当社標準器を校正依頼した時の価格です)

校正費を見て驚かれた方もおられると思いますが、これがISO/IEC17025
 レベルで測定器を管理するためのコストであり、校正毎に毎回かかります。

つまり、この規格は新品価格に近い、或いはそれより高いコストをかけなさい
 と言っています。現場の測定器を管理するお客様から見れば、実に現実離れ
 した要求ではないでしょうか。

ISO/IEC17025規格適用の現実問題


不確かさを追求する ISO/IEC17025規格を適用することは、実験室や
 研究室では必要になったり、その実現も可能かと思います。

一般に校正結果に影響を及ぼすのは、環境条件ばかりではありませんが、最も
 本質的な条件です。限られた空間であれば適用出来ますが、生産現場で規格が
 求める環境(例えば、温度2級なら23℃±2℃)をつくることは非現実的
 です。

また、仮に規格の要求通り出来たとしても、それには途方もないコストを掛け
 て行うことになってしまいます。

次回は、メールを戴いたお客様も、「JCSS校正先を捜すだけで、大幅な時間を
 取られている」と、嘆かれている、もう一つの「校正依頼先の現実問題」を取り
 上げてお伝えします。

関連情報をご紹介します。

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