校正のトピックスNo.18【ISO/IEC17025規格に準拠した校正の現実問題 その1】 | NKS|計測器・測定器の校正業務

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2009.09.30

校正のトピックスNo.18
【ISO/IEC17025規格に準拠した校正の現実問題 その1】

校正から見た「計測器の管理」

最近、ISO/IEC17025での校正を要望されるお客様からのお問い合わせが増え
ています。
先日も、TS規格で運営されている企業と取引されているお客様から、「取引先
から17025準拠の校正が必須という要求があり、対応出来る校正先を捜し
ているが、なかなか見つからなくて困っている」との問い合わせでした。
数々のお客様を通して分かったことは、次の2点
1.TS規格の審査機関によって、外部校正の判断基準が異なるらしいこと
2.17025規格の校正は理想的だが、実現には大きな問題があること
多くのお客様が、17025規格は何を言っているかは十分理解されないまま
何でも17025に準拠した校正を要望され、その対応に困惑されている現実
は、TS規格絡みの企業に蔓延した問題点と言えます。
当社は、嘗てJAB認定の「校正試験所」資格をもって業務を展開しようとして
いましたが、TS規格の適用のいい加減さに嫌気がさし、17025規格の業務
を停止した経験を持っています。
国内におけるISO/IEC17025規格に準拠した校正の現実問題を「技術面」
「校正依頼先の面」から問題提起し、それに対応する現実的なご提案を、3回
に分けてお伝えしていきます。
1.技術面の現実問題
2.校正依頼先の現実問題
3.お客様の「TS規格に対する校正はどうしたらいいのか?」という現実
問題に対する当社からの提案
第1回目は、「技術面の現実問題」を具体的に見ていきます。

ISO/IEC17025規格の技術的要求事項は・・・?

ISO/IEC17025規格の技術的要求事項は、以下の通りです。
(ISO/IEC17025:2005 第5項「技術的要求事項」より抜粋)
【5.1 一般】
校正の正確さ及び信頼性(=測定の不確かさ)は、次の要因から決定される
【5.2 要員】
校正に携わる要員に力量が有ることを確実にすること・・・
【5.3 施設及び環境条件】
校正施設や環境が、校正結果を無効にしたり悪影響を及ぼさないよう監視、
制御、記録すること。・・・ 試験所以外(現場)で行う場合は、特別な
注意を払うこと。・・・校正結果を危うくする場合は校正を中止すること。
【5.4 試験・校正の方法及びその妥当性確認】
適切な方法と手順で行うこと。校正の目的にあっていることを証明すること
測定の不確かさを算出すること。・・・
【5.5 設備】
適切な校正が出来る設備をもち、適切に管理、維持すること・・・
【5.6 測定のトレーサビリティ】
校正に使用する測定器だけでなく、それに纏わる設備や装置、標準物質など
また、その取扱いに関してもトレーサブルといえるだけの客観性があること。・・・
・・・等々10項目にわたって、こと細かく取り決められています。

ISO/IEC17025規格は、実験室的な要求

測定値が1桁、2桁も違うハイレベルな校正業務を行う実験室であれば、必要
なことかも知れません。しかし、規格を詳細に見ると、実に非生産現場的な
内容を含んでいると想います。
例えば、5.3で要求している環境は、温度や湿度を一定の幅で制御された特定
の空間となりますが、現場で「校正結果を危うくする場合は、校正を中止
する」ことにならない為の環境をつくるには、相当な工夫や努力が必要にな
る?という懸念。また、そのコストを考えると尚更???となってしまいます。
各項目が求めている技術的な要点は、測定値に対する「不確かさ」を求める
ことにあると思いますが、お客様の生産現場の機器による品質管理にどれだけ
意味あるものなのかは、正直なところ分かりません。

技術的な要求を校正費で比較すると・・・

主な測定器の校正費(サンプル価格(某社))は、次の通りです。

(17025対応校正費は、当社標準器を校正依頼した時の価格です)
校正費を見て驚かれた方もおられると思いますが、これがISO/IEC17025
レベルで測定器を管理するためのコストであり、校正毎に毎回かかります。
つまり、この規格は新品価格に近い、或いはそれより高いコストをかけなさい
と言っています。現場の測定器を管理するお客様から見れば、実に現実離れ
した要求ではないでしょうか。

ISO/IEC17025規格適用の現実問題

不確かさを追求する ISO/IEC17025規格を適用することは、実験室や
研究室では必要になったり、その実現も可能かと思います。
一般に校正結果に影響を及ぼすのは、環境条件ばかりではありませんが、最も
本質的な条件です。限られた空間であれば適用出来ますが、生産現場で規格が
求める環境(例えば、温度2級なら23℃±2℃)をつくることは非現実的
です。
また、仮に規格の要求通り出来たとしても、それには途方もないコストを掛け
て行うことになってしまいます。
次回は、メールを戴いたお客様も、「JCSS校正先を捜すだけで、大幅な時間を
取られている」と、嘆かれている、もう一つの「校正依頼先の現実問題」を取り
上げてお伝えします。

関連情報をご紹介します。

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