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2010.04.01

校正のトピックスNo.43
【クランプメータ】ケーブルのくわえ方で測定値は変わる?

NKS流「ためしてガッテン!」

ケーブルのくわえ方で測定値は変わる?

  • クランプメーターとは、回路を構成する電線の一部を測定部(クランプ)で挟み込んで電流を測定する測定器です。
  • テスターと違い、通電状態で回路に直接触れることなく電流が容易に測定できます。
  • 一般的なクランプメーターの取扱説明書には、
    「導体は必ず1本だけセンサ中央部にクランプして下さい。」
    「クランプ部をきちんと閉じているか確認して下さい。」
    と、記載があります。
  • しかし、配線に余裕の無い制御盤内では、クランプセンサの中央部に導線を通すことは困難な場合があります。
  • その際、クランプ部の位置により測定値はどうなるのでしょうか?また、クランプ部の接合がしっかり閉まっていないと測定値にどの様な影響が生じるのでしょうか。

電線を挟む位置による測定値の変化

  • 【実験1】電線を挟む位置により測定値に差はあるのか実験しました。
  •  【実験に使用したクランプメーター】
    クランプメーター 型式 3285 日置電機製
    測定範囲:AC/DC電流 10~2000A
  •  【使用した標準器】
    マルチプロダクト校正器 型式:5500A フルーク製
  •  【使用した補助機器】
    50ターンコイル フルーク製
  •  (1)50ターンコイルにクランプメーターを挟み込みます。
  •  (2)マルチプロダクト校正器より10Aの電流を流すことにより、50ターンコ
    イルで50倍に増幅され、クランプメーターに500Aの電流が流れます。
  •  (3)その時、クランプメーターを移動させターンコイルの中心部をクランプセン
    サの中心から上下左右にずらした時の測定値の変化を測定しました。

  • 実験1の結果から、電流指示精度については、交流・直流共に測定値のバラツキは有ったが位置を変えても全てメーカ精度範囲内でした。

接合部に異物がある場合の測定値の変化

  • 【実験2】クランプの接合部の隙間に、2種類の異物を挟み込んで測定しまし
    た。
  •  【挟み込んだ異物】 厚さ約0.1mmの紙(非金属)
    厚さ約0.1mmのアルミ箔(金属)

  • 実験2の結果から、クランプの接合部に異物を挟み込むと測定値が大きく減少する事が解った。
  • また、異物の材質が違っても同じように減少することが解った。

クランプの接合部がしっかり閉まっていないと測定誤差が生じる

  • 今回の実験から、導体を挟む位置によって測定値は僅かに誤差を生じますが、そのズレは全てメーカ精度内の結果でした。
  • しかし、厚さ0.1mmの異物(紙及びアルミ箔)を挟み込むだけで、約-5%の大きな誤差が生じました。
  • また、異物の材質(金属と非金属)に関わりなく、同じように測定値に影響することが解りました。
  • これは、クランプセンサ(コア)で作られる磁気回路の測定感度が、コアの隙間によって影響を受ける為です。
  • したがって、クランプメータを使って、導体に流れる電流を正しく測定するには、クランプ部がしっかり隙間無く閉まっていることが重要です。

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