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2010.04.08

校正のトピックスNo.44
【大型マイクロメータ】測るときの姿勢で測定値が変わるって本当?

NKS流「ためしてガッテン!」

ゼロ点合わせは、どの様にされていますか?

  • 以前、外側マイクロメータを取り扱う場合の測定環境や材質に対する注意点をお話しましたが、今回は姿勢による測定値の影響を取り上げます。
  • 現場で外側マイクロメータを使って製品を測る場合は、一定の向き(姿勢)だけでは無く、製品に合わせて、横に向けたり、下に向けたりして使われます。
  • 測定前には付属の基準棒などを使って、ゼロ点合わせをされると思いますが、メーカの資料には「中形以上の外側マイクロメータは、姿勢を変えた場合、指示のゼロ点が変わる・・・」とあります。
  • そこで、今回は大型の外側マイクロメータで製品の長さを測る際、その姿勢によって測定値がどう変化するかを実験しました。

姿勢を変えたとき、指示がどう変わるかを実験しました。

    • 【実験に使用した標準器及び被測定器】

      【被測定器】替えアンビル式外側マイクロメータ(ミツトヨ製)

      OMC-600:測定範囲500~600mm

      OMC-700:測定範囲600~700mm

      OMC-800:測定範囲700~800mm

      (各外側マイクロメータの測定ヘッドのストロークは25mm)

      【標準器】

      ブロックゲージ 型式:BM1-8R-0 ミツトヨ製

      【補助機器】

      マイクロメータスタンド 型式:MS-L ミツトヨ製

      【測定環境】

      温度23℃ 湿度 38%RH

    • 測定姿勢を 1)下部と中央部支え 2)横向き 3)下向き
      の3種類に変えた場合のゼロ点と測定範囲の最高点を測定しました。
      (なお、替えアンビルは一番長い測定範囲用のものをセットしました。)

実験結果から

  • 1)の姿勢(下部と中央部支え)の測定値はいずれも誤差はほとんど有りませんでした。
  • 2)の姿勢(横向き)にした場合は、ゼロ点が約10μm前後ズレたが、何れも
    メーカの精度範囲内の誤差に収まっていました。
  • 3)の姿勢(下向き)では、ゼロ点が大きくズレ(最大30μm)て、メーカ精度
    を超える誤差がみられました。
  • また、測定範囲が長くなるほど、姿勢による誤差は大きくなりました。

ポイントは測定する姿勢でのゼロ合わせをすること

    • 実験から、湾曲部がある外側マイクロメータは、姿勢によって誤差が生じる事。また、測定範囲が大きくなるに従って、誤差も大きくなる事が分かりました。
    • これは、測る時の姿勢(支点の位置)によって、外側マイクロメータのフレーム(湾曲部)にたわみが発生し、ゼロ点に影響を及ぼす事が要因です。
    • 従って、測定誤差を防ぐ(小さくする)為、測定前に、実際に使用する姿勢でゼロ点を合わせてから測定する事をお勧めします。
    • また、姿勢による誤差は、メーカの技術資料によると、測定長の小さな外側マイクロメータでは殆ど問題になりませんが、測定長が300mmを超える中形以上では無視出来なくなり、使用する姿勢でのゼロ合わせを推奨しています。
    • 当社では中形以上の外側マイクロメータの校正を行う場合、専用の測定スタンドを使って測定面の水準を取って校正しますが、お客様が校正する場合は、測定姿勢の影響が一番少ない状態で校正される事をお勧めします。

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