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2023.01.01

【てこ式ダイヤルゲージ:測定のキーポイントはセッティング?】

校正のトピックスNo.48

NKS流「ためしてガッテン!」

てこ式ダイヤルゲージの特徴

    • てこ式ダイヤルゲージは、狭い場所や深い場所の測定ができるように、測定子のレバーの角度を自由に変えることができます。
    • しかし、その反面、測定子の当て方については注意が必要です。
    • また、単体では使用できないため、必ず本体を固定する保持具が必要です。
    • JISには、「たわみの影響が出ないように、強固な保持具に確実に取り付けて用いる」と書かれていますが、あまり気にせず使用している方も多いのではないでしょうか。

てこ式ダイヤルゲージの誤差の生じる要因は?

  • そこで、保持具の太さによって、測定値にどの位の影響が生じるのか?
  • 測定子の当て方によって、どの位の測定誤差が生じるのか?

2つの実験をしてみました。

    • 実験1:異なる太さの保持具を使って、測定値がどう変わるか。
    • 実験2:測定面と測定子の当たる角度を変えたとき、測定値がどう変わるか。
    • 【実験に使用した測定器】
      ◎てこ式ダイヤルゲージ(ミツトヨ製) 型式:TI-111H
      仕様:0.00~0.14mm、
      広範囲行き精度:±3μm、戻り誤差:±2μm
      ◎ダイヤルゲージテスタ(ミツトヨ製) 型式:UDT-2
      仕様:0~25mm、送り精度:±1μm
      支柱径φ30mm、腕の径φ20m
      ◎ダイヤルゲージ保持具
      保持具1… 支柱の太さ:φ30mm、腕の太さ:φ20mm
      保持具2… 支柱の太さ:φ16mm、腕の太さ:φ10mm



実験結果から

  • 実験1では、
  • 支柱の太さφ30mmの保持具は、0.2~0.5μmの戻り誤差だったが、
  • 支柱の太さφ16mmの保持具は、最大2.3μmの戻り誤差が生じた。
  • 保持具の支柱や腕が細いと、たわみによって、行き・戻りの作動で測定値が変わることが分かりました。
  • 実験2では、
  • 測定子と測定面が平行なときは、測定値の誤差はなかったが、
  • 角度が大きくなるほど測定値の誤差が大きくなり、15°を超えると許容差以上の測定誤差を生じた。

保持具の支柱の太さと、測定子の当たる角度がポイント

    • 実験結果から、てこ式ダイヤルゲージで正しく測るには、たわみの少ない頑丈な保持具を使うことと、測定子の当たる角度が鍵になります。
    • 保持具のたわみ量は、支柱と腕の長さ(L1×L2)の3乗に比例し、太さの4乗に逆比例します。
    • メーカのテキストでは、支柱がφ25~30mm以上の保持具の使用を推奨しています。
    • また、てこ式ダイヤルゲージの測定子は、円弧運動をするため、COSの誤差が生じます。
    • 従って、予め測定子に角度をつけてセットされるときは、測定値を補正計算することで正しい値が求められます。

  • 現場で、マグネチックスタンドなどを使われる場合には、その支柱のたわみの影響や、セッティング角度による影響を考慮下さい。

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