{{navs.title}}

TOPICS

2011.02.24

校正のトピックスNo.87
【恒温恒湿槽】詰め込みすぎると槽内環境が変わるの?

NKS流「ためしてガッテン!」

詰め込みすぎると風の流れが悪くなるの?

  • 恒温恒湿槽は、槽内に所定の温度・湿度を作りだし、製品の耐久・機能試験などを行うための装置です。
  • 冷却、加熱器などで温湿度が調節された空気を送風機によって試料室へ送り出す構造になっています。
  • 実際の現場では、製品を棚板いっぱいに詰め込んで試験している場面を時々見かけます。
  • メーカの技術資料の注意事項に、「試験槽内のサンプル量が多いと、風の流れが悪くなり、温湿度が不均一になってしまうおそれがある。」と記載がありました。
  • そこで、製品を詰め込み過ぎると槽内の風速、温湿度がどのくらい誤差になるか実験してみました。

製品を棚板に詰め込んだ場合と適度に設置した場合で風速と温湿度を測定しました。

    • 【使用した測定器】

      恒温恒湿槽 型式:EC-25HHP メーカ:日立アプライアンス製

      風速計   型式:6531-01  メーカ:カノマックス製

      おんどとりJr 型式:RTR-53 メーカ:ティーアンドディ製 10台

    • 製品を棚板に隙間無く詰め込んだ場合と、棚板に5割程度設置した場合で、恒温恒湿槽を25℃、50%RHに設定する
    • その時の槽内10箇所の風速値、温湿度と安定までの時間を測定しました。



実験結果から

  • 製品を棚板に隙間無く詰め込んだ場合

    (1)風速はばらばらで均一になっていませんでした。

    (2)湿度は落ち着くまでの時間が5分遅れ、一旦落ち着いた後もやや不安定でした。

    (3)温度については、この条件では変化がありませんでした。

  • 実験前は精度内に収まらないかもと思っていましたが、今回の条件では精度を外れる程では無いものの、落ち着くまでにやや時間が掛かったり、不安定になったりしました。

そうはいっても製品を詰め込まない事がキーポイントです。

  • 今回は精度内に収まりましたが、製品の種類や詰め込み方によっては、精度から外れてしまう可能性もあります。
  • よって、風の流れを良くするために製品を詰め込みすぎない事が重要です。
  • あるメーカの取扱説明書には、「試料を棚板に載せる場合、30~50%の空スペースを取ってください。」と記載がありましたが、メーカによっては明確になっていない事がある様です。
  • ちなみに、当社では恒温恒湿槽を使って自記式温湿度計を校正する際には、十分な空スペースを確保する為に各棚板に2台以上置かない様にしています。

関連情報をご紹介します。

上記内容についてのお問い合わせ(Mail・TEL)/資料請求