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2013.01.24

校正のトピックスNo.178
【標準物質のトレーサビリティの現実問題】

校正にまつわる豆知識

標準物質のトレーサビリティの現実問題

    • 当社では、分析機器の校正をするときには、一定の濃度になっているPH標準液や酸素ガスと言った標準物質を使用しています。
    • 標準物質のうち、JCSS等の証明書によって、国家基準とのトレーサビリティが確保されているものがあります。それは認証標準物質と呼ばれ、PH標準液や酸素ガスなどは、これに該当します。
    • 有るお客様から「ORP計の校正に使う、国家基準にトレーサブルな標準物質はありますか?」と言う問い合わせがありました。ORP計用の標準物質は、認証標準物質に該当していないので、国家基準へのトレーサビリティは存在せず、製造メーカーまでのトレーサビリティとなっています。
  • 計器の校正では、国家基準に繋がるのが普通と思われがちですが、標準物質に関しては、国家基準と繋がる物質の方が少ないのです。そこで今回は、「標準物質のトレーサビリティの現実問題」として、当社がご提案している方法をお伝えします。
  • 但し、お伝えする内容は、校正する立場の見解であり、規格の審査時やエンドユーザー様によって、判断にバラツキがありますので、それぞれの立場・状況でご確認下さい。

国家標準までトレーサビリティがある標準物質は2割程度です

  • 「独立行政法人 製品評価技術基盤機構」のホームページによると、2011年3月末の段階で標準物質と呼ばれているものは、約7500種有るのですが、認証標準物質は約1400種しかありません。つまり、まだこの分野では、全ての標準物質に対してトレーサビリティが確保されていないのが実情なのです。

どうしても選ばざるを得ない状況です

    • 現状では、認証標準物質が供給されていない物は、製造メーカーまでのトレーサビリティしかない標準物質を使わざるを得ないのです。
    • ですが「日本化学試験所認定機構(JCLA)」が開示する見解書に、測定の信頼性を確保するために、「信頼できる試薬製造者から供給される純度又は濃度が明確に表示された試薬」を使用しても良いと書かれています。
    • そのため、当社では見解書内にも登場し、標準物質そのものを認証している「独立行政法人 産業技術総合研究所の計量標準総合センター」が正式に認めている、認証標準物質を扱う試薬製造者から購入し対応しています。
  • そして、標準物質に付けられたデータをお客様へ提示する事によって、製造メーカーまでのトレーサビリティの確保を明確にし、可能な限り信頼のおける校正を提供しています。

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