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2014.08.21

校正のトピックスNo.251
【熱電式温度計:風があると安定します】

NKS流「ためしてガッテン!」

何故か、指示値が違います

    • あるお客様から「熱電式温度計で、装置に付いた状態と取り外した状態で指示値に差が有るので調べて欲しい」と依頼がありました。そんな事は無いだろうと思いましたが、実際に比較すると値に差がありました。
  • この差は何だろうと不思議に思い、お客様と原因を探しました。そこで分かった事を今回は取り上げてみました。

温度補償回路への影響と考えました

  • 同じ機器でも「装置に取り付けられ密閉された空間内」と「取り外して解放されている空間」とに置かれた場合、機器に当たる空気の流れの有無が違います。
  • 熱電式温度計は、雰囲気温度の影響を受ける為、雰囲気温度を自動検出して補償する機能が付いています。空気の流れの有無が雰囲気温度への検出誤差として表れたのでは?と考え実験してみました。

空気を循環させた時の指示値を見てみました

    • 熱電式温度計を1時間ウォーミングアップさせた後、ケース内へ通風した場合とケースを取り外して通風した場合、それぞれ指示値の変化を30分見てみました。
    • 【使用した機器】
      対象機器:A社の熱電式温度計
      室温測定用の標準器:測温抵抗体式温度計 CHINO製
      通風用のファン:直径100mm
    • 風を当てる前は2℃ぐらい差がありましたが、10分ぐらい通風させると、ズレが収まってきました。

通風させるのが良さそうです

    • 熱電対を繋ぐ端子部の温度を雰囲気温度として検出できれば一番良いのですが、今回の機器は、温度補償回路が端子部から少し離れた基板上に有ります。たかが数センチの差ですが風の当たらない密閉容器内では温度のムラができ、それが誤差となって表れたようです。
    • また、温度補償回路の位置は機器の型式によって変わり、端子部付近の温度を検出している物も数多くあります。もし、使用されている機器がご心配でしたら製造メーカへのお問い合わせをお願いします。
    • 密閉空間でも、しっかり時間をかければ空間内は均一温度になると思われます。しかし、密閉空間内にある機器の発熱量が多い場合や、外部からの熱でケースの片側が暖められてしまう場合などには、温度ムラが発生すると考えられます。
  • そのため、通風させて温度ムラを無くす事が、安定した温度指示を得る為に必要と言えそうです。

上記内容についてのお問い合わせ(Mail・TEL)/資料請求