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2015.04.16

校正のトピックスNo.282
【最小目盛以上の値で校正して欲しいと求められて、困る事例があります】

校正から見た「計測器の管理」

せっかく校正に出すなら、細かい数字まで知りたい

    • 路面をなぞる事によって、距離が測定できる機器として「測長器」と言うものがあり、0.1m単位や0.01m単位などで距離を知ることができます。
  • あるお客様から測長器の校正依頼があり、その機器は0.1m単位の表示のものでした。
    その時に次の内容も要望としてありました。
  • 「この測長器は0.1mまでしか表示は出ないけど、0.1m単位の校正では心配なので、0.01m単位までの校正値を知りたい」
  • 今回のご要望に対して、校正業者としての考え方をお伝えしていきます。

校正は、値と値の差を確認する作業です

    • 例えば測長器の値が100.0mだったと言うのは、実測値に対して機器は内部演算処理をして100.0mと表示しています。
    • 一方、当社の標準器は0.01m単位まで表示しますので、0.01m単位で実測することは可能ですが、ここで改めて校正の目的に振りかえってみます。校正とは測長器の表示値と標準器の値との差を確認する作業となります。
    • 今回の事例に当てはめてみると、測長器と標準器を同じ路面をなぞった時、測長器は100.0mを示し、標準器は100.01mと示すかもしれません。
      再び同じように路面をなぞると、測長器は100.0mを示しても、標準器は100.04mと示すかもしれません。
    • つまり、測長器は同じ100.0mを示したとしても、標準器の値との差が0.01mだったり、又ある時は差が0.04mとなる事が発生し、差の確認ができない状態といえます。そのため、校正としては成立しなくなってしまいます。

ご要望と校正の進め方を丁寧にすり合わせています

  • 表示桁以上の数値を用いると、校正の目的からは離れてしまうため、お客様にこの考え方をお伝えし、測長器の表示桁である0.1m単位にあわせた校正対応をさせていただきました。
  • 確かに、細かい桁まで知りたいのは心情なのですが、校正を進めて行く上ではご要望の全てにお応えできない点もあります。
  • そこで、納得されてから校正を依頼して頂きたいと考えていますので、校正に関する疑問や相談が有りましたら、当社の営業マンへ気軽にお尋ね下さい。

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