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2015.05.28

校正のトピックスNo.286
【ビュレット:急いで出すと量が変わるの?】

NKS流「ためしてガッテン!」

ゆっくり行わないと誤差になると書かれていました

    • 化学分析に使う器具に、ビュレットというガラス製の体積計があります。
  • 新人向けに使い方の教育資料を作る機会があり、改めて取扱説明書を確認すると「ビュレットを使うときは、液体の平均降下速度はゆっくりにしてください(2~3秒/cm程度)。降下速度が早すぎると、残着量が安定しません」とありました。
  • 確かに、流出時にガラスの壁面をよく見ると、膜みたいな物が壁を伝わって落ちてきているので、降下速度早いと残着量が安定しないようなイメージはあります。
  • とは言っても、降下速度をゆっくりにして、じっと待つのは、待たされているという心理になってしまうため、排出コックをできるだけ開いて早く終わらせたいのが心情です。
  • そこで、今回は降下速度を変えてみた場合、どのくらい測定誤差が現れるのか実際に実験してみました。

コックを全開にした時とゆっくりにした時の違いを見てみました

    • 100mlのビュレットに水を入れて用意し「コック全開(1.4秒/cm)にした場合」と「降下速度をゆっくり(3秒/cm)になるようにした場合」それぞれ5回ずつ排出量を電子天秤で測定してみました。

      対象機器:100mlのビュレット 最小目盛0.2ml 精度±0.2ml 目盛長55cm

      標準器:電子天秤 メトラートレド製

    • 両者に多少の違いはありましたが、誤差範囲内でした。今回、当社での校正時同様に水を使いましたが、粘度が高い液体だったらもう少し変化はあったのかもしれません。

大きな変化は見られない結果でしたが、新たにわかった事もありました

  • 降下速度別に平均値を求めて両差を比べると、0.04ml程度でした。これは最小目盛の1/5程度なので、速度を変えても思ったほど大きな変化は無い印象でした。
  • また、それぞれ5回測定した数値内での最大差をみると、0.02ml程度なので、繰り返し測定する時は同じ降下速度で測定すると安定した値になる事が言えそうです。
  • さらに、0.02mlの値を目盛の長さに換算してみると0.1mm程度なので、液面を正しく読むといった技術の方も大切なのかもしれません。
  • 上記をまとめると「速度を一定に保つこと」と「液面を正しく読むこと」が校正をする上でのポイントと言えそうなので、早速資料に取り込みました。
  • これからも実験などから得た内容をもとに、より確実な校正結果をお客様に提供できるように日々工夫を続けていきます。

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