{{navs.title}}

TOPICS

2016.12.15

校正のトピックスNo.355
【熱電対:熱電対に使える新元素を日本人が100年前に発見していた?】

レニウムという元素を混ぜて作る熱電対があります

    • 高温を測る温度計の1つに熱電対というものがあり、度々取り上げてきました。
    • 熱電対は、合金を組み合わせて作られていますが、そのうちの1つにレニウムという元素を混ぜて作成されるものがあります。
  • レニウム発見までの歴史をみると、新元素ニッポニウムとして100年以上前に日本人が名を残せたかもしれない惜しい物語があります。
  • そこで、今回はその物語をご紹介させていただきます。

小川正孝さんという元東北大の総長を勤めた方が関わっています

    • 1909年の元素周期表には、小川正孝さんが発見した43番元素(現在のテクネチウム)「ニッポニウム」として載っていたそうです。
    • 後になって第三者が調査してわかったのですが、実は75番元素(現在のレニウム)を発見していたのだけど、この元素は微量で精製が困難だったので、精製物の分子量を勘違いし、43番元素として発表してしまいました。
    • 結果論からいえば当然なのですが、他者からニッポニウムを作れたという後報の声は上がらなかった為、改訂版の周期表からは消されてしまいました。
    • 小川さん死去後の1937年にイタリアの物理学者が43番元素のテクネチウムを発表し、小川さんの発表は43番元素ではないと確定され、日本人発見の元素とはなりませんでした。

やっと日本人命名の元素が発表されました

  • 今年の6月に、おめでたい話として、113番元素「ニホニウム」が発表されました。もしかしたら、相当長生きしても実物と対面出来ないかも知れませんが、レニウムのように50年、100年後の世界では熱電対みたいな形で計測の分野で役に立つ元素になっているかもしれません。
  • 人は次の世代へバトンタッチしているかも知れませんが、新しい技術を取り入れた機器が、次世代の計測の分野に入ってこようとも、校正できる体制を日々整えていきたいと考えていますので、これからのエヌケイエスにも期待していて下さい。
  • 今回は、校正からは少し離れましたが、計測器の豆知識として紹介させていただきました。

上記内容についてのお問い合わせ(Mail・TEL)/資料請求