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2023.01.01

【あれ?有効期限が切れている?切れていない?】

校正のトピックスNo.359

校正から見た「計測器の管理」

有効期限がきれている機器で校正している?

    • 当社では、校正証明書を図のような形でお出ししています。校正証明書には、依頼された機器の校正に使用した標準器情報が記載してあり、お客様が取引先の方に校正記録の証拠として伝える時に使われています。
  • しかし時々「校正証明書をみると、当社の機器の校正日に標準器の有効期限がきれているのでは?と取引先から言われ困っている。何とかして欲しい。」と切羽詰まった状況での問い合わせがあります。
  • 時間に余裕のある場面なら、営業窓口から分かり易く説明させて頂くのですが、急を要する状況だったり、訪問時間が遅くなる状況だったりする場合、ご期待に添えない可能性もあります。そこで、まずは今回のような事例を記事の形で説明させて頂きます。

次の事例で説明します

    • 今回登場する機器は、下記のものです。

      確かにお客様の機器「温-001」の校正日から単純に日付だけみると、参照標準器「HM-440」の有効期限から10日ほど後の日付です。しかし、トレーサビリティは国家標準から切れ目のない比較の連鎖によって成り立つので、連鎖しているかを焦点に今回の事例に当てはめてみます。

    • 「温-001」は、標準器「NK-480」の有効期限が切れる前に校正されています。
      そして「NK-480」は、「HM-440」の有効期限が切れる前に校正されるといった形で、校正の連鎖が行われています。
    • つまり「HM-440」は「NK-480」に連鎖をバトンタッチした時点で、次へ引き継ぐお役目を果たした事となりますので、「温-001」の校正日に「HM-440」が有効期限切れだから校正が無効とはなりません。
  • 「温-001」に直接関与しない「HM-440」の有効期限が意味するものは、「温-001」に対してではなく「温-001の校正に直接用いるNK-480の校正はHM-440の有効期限内に行いました」という証明だけの位置づけとなります。

説明の手助けになればと考えています

  • 今回の様に、校正の意味を思い出して、時系列を冷静に見ていただくと有効期限切れという事はないのですが、自分が作っていない書類の内容を説明する場面や取引先から言われっぱなしの受け身状態の場面では、どうしても不安な状況が発生してしまいます。
  • 冷静さを失った極端な問い合わせ例では、5年ほど前に発行した校正証明書に対して「今日の段階では、全ての機器は有効期限が切れているから説明して欲しい。」という内容でした。あくまでも校正日現在での内容という事を説明したら、冷静さを取り戻し理解してもらえました。
  • もし今回の様な場面に遭遇された時は、この記事の内容を思い出して検索していただければ、深夜・休日問わず問題解決への1つとして、お役に立てると考えています。
  • これからも、お客様が校正で困っている点を少しでも解決できるように日々取り組んで行きますので、これからも期待してください。

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