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2017.03.23

校正のトピックスNo.367
【長さ計の校正時には、熱膨張係数がもれなく付いてきます】

説明書や仕様書には書かれているけど・・・

  • 主に長さ計は、室温や体温の影響で長さが変わってしまう事を過去にお伝えしてきました。
  • 長さ計の仕様書や取扱説明書をみると「熱膨張係数は11.7×10-6/K」など熱に関する数値が書かれていますが、当社の講習会などで ”ここにある「K」って何ですか?” と質問を受ける事がありました。
  • 今回は、そもそも「K」って何か。また、どのように計算したら良いのかをご紹介します。

「K」は、キロではなく、温度を意味します

    • 熱膨張係数に書かれている「K」は、ケルビンと呼ばれる絶対温度を表す単位です。日常で使っている「℃」に約273度加えた値となっています。
    • 次に、車の速度の単位を想像してみて下さい。「60 km/時」などあります。これはご存じの通り、1時間経つと60 kmだけ進むという意味を示します。
    • これを熱膨張係数に当てはめてみると、1Kだけ温度が変わると、11.7×10-6の割合だけ変化するという意味となります。
    • ここに、この熱膨張係数で長さ100 mmの物があり、1 Kだけ室温が変わったとすると
    • 100 mm × 11.7×10-6 × 1 K =1.17 μm
    •  となり、約1 μmほど長さが変化します。
  • 「1 Kだけ室温が変わる」と難しく表現しましたが、「K」と「℃」は273度の差があるだけの関係なので、1 Kの変化=1 ℃の変化と言えます。つまり、20 ℃から21 ℃の変化でも1 Kですし、23 ℃から24 ℃の変化でも1 Kとなります。

気軽に質問してください

  • 今回は、仕様書や説明書に書かれている内容について取り上げました。金属などの材料の分野では、ごく普通の表現かもしれませんが、文系の方からみたら「難しそう」「よく分からない」表現なのかもしれません。
  • 当社の担当者もお客様は知っているだろうとして、つい話を進めてしまう事もあるかも知れません。もし、今回の様に計器の仕様書や説明書にある、ちょっと引っかかる内容や疑問などがありましたら、遠慮なく当社の社員へ聞いて下さい。
  • 当社ではできるだけ計器に対してのお客様の疑問を減らしてから、校正の仕事を進めたいと考えています。

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