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2017.05.11

校正のトピックスNo.372
【機器精度は、最小目盛より良くならない?】

機器精度と最小目盛は一致しない?

    • 測定器は数多く販売されていて、温度計1つみても±0.2℃といった機器精度に対して、最小目盛は0.1℃単位、0.01℃単位というように、様々な能力のものが存在しています。
    • 機器精度の意味から考えると、例えば±0.2℃といった機器の場合、測定値は真の値から0.2℃ずれて表示される可能性がある事を意味しています。そのため、0.2℃より小さい0.1℃や0.01℃単位で値を表示しても、誤差に埋もれてしまうので意味が無いのでは?と思えなくも無いです。
  • 突き詰めれば一層のこと、どの測定器も「機器精度=最小目盛」で一致してくれた方が、買う人や使う人にとって判りやすくなるかもしれません。しかし現実は一致している状況の方がまれになっています。
  • なぜ最小目盛は機器精度に対し、0.1℃や0.01℃単位といった細かい所まで表示しているか紹介します。

デジタルの分解能によって機器精度が左右されます

    • 全ての物理量は、アナログなのでデジタル変換しないと測定器は結果を出すことができません。例えば0.1℃単位で処理するのか、0.01℃単位で処理するのか、分解能によってデータ処理の細かさが変わります。
    • アナログからデジタル変換時には誤差を生じてしまうので、精度の仕様をみると±(0.1%rdg+1dig)のように、1dig(=1目盛)といった形で誤差が盛り込まれています。
    • 仮に目盛が1℃、0.1℃、0.01℃を例に機器精度がどのように変わるのか計算してみると、目盛が足を引っ張る事がみえてくると思います。
  • このように数値上、高精度を見せようとするなら、高分解能が求められますので、精度と最小目盛をイコールにさせる案の実現は難しく、測定器が必要な精度に応じて目盛単位を設定しているのです。

高分解能のものは、何かとお金がかかります

  • テレビでいうと、ハイビジョンより4Kというように細かい表現ができるものほど高価になるので、測定器も「価格」と「必要な表示桁数」のバランスといえます。
  • 炉の温度をみる場所に、高価で0.01℃単位の温度計は、もったいないかもしれません。一方、分析関係の場所では1℃単位の温度計では粗すぎるので、高価でも0.01℃単位の機器が必要な場合もあるかもしれません。
  • 校正に関しても、お客様の高精度の測定器に対しては、さらに高精度の標準器が必要という形になってしまうので、どうしても高価な標準器を用意せざるを得なくなってきます。
  • 使う場面より高精度の測定器で揃えるのでは無く、適材適所の測定器を用意して校正依頼する方が、校正にかかる維持費は押さえられると言えそうです。

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