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校正のトピックスNo.449
【キログラム原器 その2:定数から計算でキログラムを作る?】

数が質量基準のトップ??

  • 前回、キログラムの定義がかわる話題をあげました。 キログラムの単位は「国際キログラム原器の質量に等しい」から「プランク定数の値を正確に6.62607015×10-34 J・sと定めることによって設定される」に変わります。
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  • 原器は物なので、摩耗だけで無く、破損してしまうリスクはぬぐい去れません。仮に原器が壊れてしまったら、まず質量のトレーサビリティが崩れてしまいます。
  • それだけで無く例えば、ニュートンという単位は質量、長さ、時間の単位で成り立っていますので、質量に関連している単位や数値全てに影響が出てしまうのです。
  • そこで、もっと精度良いもので、不変なものは無いか探したところ、プランク定数という物理定数の1つにスポットが当たりました。そこで、今回はプランク定数を取り上げてみます。

物理の教科書で学んだきりの定数です

  • プランク定数は、真空中の光の速さや万有引力定数など物理定数の1つで、光のエネルギが物に与える力の大きさを計算する時などに使われますが、何とプランク定数を使った公式を組み合わせると、質量が求められる式が導かれます。
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  • プランク定数は物理の教科書に数値が載っているので、学生の頃は暗記に苦労しつつ変わらない数字だと思っていたのですが、実は定期的に1億分の1~数千万分の1ぐらいの数値の変更発表があります。
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  • それでは不変を満たせないので、世界中の科学力を結集させた数値確定プロジェクトの結果、何十年も掛けて、今回の6.62607015×10-34 J・sを求める事ができました。

実感は湧きませんが、原器に頼らずとも正しい質量値が求められるようです

  • プランク定数が定まった事により、式の上では光の速さは物理定数なので、光の周波数から質量を生み出すことが可能となりました。
  • プランク定数は、1mol当たりの分子個数を示すアボガドロ定数と一定の関係にあるので、分子をアボガドロの示す値分だけ集めて質量を生み出す方法も可能となります。
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  • つまり、キログラム原器からしか作れなかった質量の基準は、プランク定数を中心に複数の方法で誰でも正しく生み出す事ができるようになる画期的な定義変更と言えます。
  • 遠い将来、どこかの惑星に移り住む時代がきた際、わざわざキログラム原器を用意しなくとも、その惑星でキログラムの基準を生み出す事ができるようになるのも、的外れな話しでは無いかも知れません。

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