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2021.05.20

校正のトピックスNo.547
【微粒子数がゼロ個以下?! あり得ない(?) 測定値 】

個数がマイナス? ?  現場作業で不思議に感じた測定値

  • クリーンルーム_作業
  • ●新型コロナウイルスワクチンの数量は増えてきているようですが、増産する障害の一つに『物理的な場所の不足』があるそうです。
  • ●物理的な場所は温度や湿度、清浄度が管理されている、所謂“クリーンルーム”を指しています。医薬品の原料製造や瓶への充填などを行う、製造する環境として重要な施設です。
  • ●クリーンルームは微粒子が極力少なくなるように設備が管理・運営されていて、理想的な微粒子の個数はゼロ(全く微粒子が無い)。
  • ●特に重要な工程では製造環境のモニタリングとして、部屋の温度や湿度の他に、空気中の微粒子の個数を測定していることがあります。
  • ●この微粒子の測定器には、パーティクルカウンターが用いられます。
  • ●パーティクルカウンター(粒子計数器)はその名の通り、“微粒子の個数を測定する”測定器です。
  • ●あるクリーンルームでの校正作業で、 『微粒子の個数がマイナス』という不思議な測定値に遭遇しました。

『マイナスの個数』に不思議さを感じた理由

  • ●先に記述した通り、パーティクルカウンタは空気中の微粒子の個数を測定しています。(正確には一定量の空気中に含まれる微粒子の個数又は濃度)
  • ●微粒子を“モノ”として数えることをイメージした場合、最小値はゼロ。
  • ●モノの個数がゼロより小さい状況は計算上では存在しても、実際の状況としては無いハズなので、不思議に思ったのです。

温度計や圧力計なら不思議とは感じなかったかも

  • ●原因は計器の“誤差”でした。ご存知の通り、計測機器はそれぞれ大なり小なりの“誤差”を持っています。
  • ●誤差の程度、出方は計器により様々ですが、検出部分や表示器いずれかでマイナス方向の誤差を持っている場合、実際の値より小さい数値が表示されます。
  • ●遭遇した事例では、パーティクルカウンタはアナログ信号で表示器に測定値を表示していました。その表示器を検査したところ、少しマイナス方向の誤差がありました。

  • ●つまり、パーティクルカウンタは“ゼロ”を出力していましたが、表示器の誤差のせいで、実際の環境ではあり得ない『個数がマイナス』になっていました。
  • ●仮に今回の測定器が温度計や圧力計であれば、いずれもマイナスの測定値があり得る物理量のため、計器の誤差として捉えていたと思います。
  • ●原因が分かれば、不思議な事→当たり前の事。現場作業では不思議に思えることに遭遇しても、落ち着いて対応することが大事だと改めて思いました。

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