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2022.02.09

校正のトピックスNo.579
【「基準」はどんな状況でも変わらない?測定環境の影響例(時間)】

測定の「基準」はどんな状況でも変わらない?

  • ●現場で計器を校正する際には、様々な「基準」となる測定器を使います。
  • ●ノギスに対するブロックゲージ”や、“電子天秤に対する分銅”などです。
  • ●これらの「基準(ブロックゲージや、分銅)」は対象計器(ノギスや電子天秤)を確認することに対して十分な精度を有しています。
  • ●しかし、正確な測定を行う際に環境の影響を考慮する必要が出てくる場合があります。
  • ●影響の大きさは環境要素や測定器により様々ですが、良く知られているのは長さ計を使う際の温度の影響でしょうか。
  • ●ノギスやマイクロメータなど長さ計は一般に金属でできていますので、温度が上下すると伸び縮みして「変化」します。
  • ●金属製が多い「基準」のブロックゲージも同様に伸び縮みするため、20℃で管理された環境が望ましいとされます。

進んだり遅れたり。温度の影響は時間測定でも。

  • ●ところで、先週末に冬期オリンピックが始まりました。雪面がかなり固い、夜間などはかなり冷え込むとの報道を目にします。
  • ●極寒の冬期も、もちろん灼熱の夏期でも、環境によらず競技の時間計測は正確さが求められます。
  • ●正確な測定ができるよう技術の粋が極まったオリンピックは別格として、一般に時間測定で基準になる「ストップウオッチ」はどうでしょうか?
  • ●ストップウォッチは屋内外、様々な環境の温度で使われます。使用場所の温度の影響がどの程度あるのか?以前確認した結果をご紹介します。

【確認内容】

  • ●測定対象 :ストップウォッチ 型式:S024-6000 セイコー製
  • ●基準   :クォーツタイマー 型式:SS-406 三生電子製
  • ●テスト温度:10~40℃(5℃ステップ)
  • ●内容   :所定温度の恒温槽にストップウオッチを入れる。温度が安定したら、ストップウオッチを取り出しクオーツタイマで ストップウォッチの日差 を確認する。

【結果】

  • ●日差は-0.37秒、最大・最小の差では日差0.53秒の差異がありました。
  • ●長時間測定でなければ気にする程の影響ではないのではないか、と思いました。
  • ●グラフからは、より低温になると差異が大きくなることが想定されます。より低温の領域を確認する機会があれば、結果をご紹介できればと思います。

計測器の使用環境を記録しておくのも一つの手です。

  • ●ストップウォッチの取説には、常温(5-35℃の範囲内)において安定した精度が得られるように調整してあるため、温度によって多少の進み/遅れが生じる事があると記載があります。(なお作動温度範囲は -10~+60℃)
  • ●測定器の使用環境が測定値に大きく影響する、あるいは高い精度が必要など用途上の影響が無視できない場合は、参考情報として使用環境の温度や湿度、電源電圧などの環境を記録しておくのも手です。
  • ●過去の測定値との差異が生じた際に、あるいは想定外の測定結果(数値)が出た際に、その要因の一つとして検討することができるようになります。

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