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2022.09.01

校正のトピックスNo.604
【 食パンの単位に隠された秘密とは?】

今回取り上げる単位は、朝食の定番である食パンに使われる「斤」です。

  • ●先日、何気なく食パンの包装を見た際に「1斤は340g以上です」と書いてありました。
  • ●普段より単位に触れることが多い筆者は「以上」という点に違和感を覚えて調べてみると、「斤」という単位はとても一風変わった単位だという事がわかりました。

「斤」について調べてみました

  • ● 「斤」は現在の中国「唐」の時代に日本へ入ってきた単位で、元来は「1斤」=600gでした。当時は唐目(からめ)と呼ばれていました。
  • ●その後「1斤」は、中国の約600g(唐目)だけでなく、イギリス・アメリカで使用されていた約450g(英斤)などもあり定義が曖昧になっていきました。
  • ●すると、いろいろな大きさの食パンが1斤として売られるようになり、その結果パン屋それぞれが1斤の大きさを独自で決めるようになったのです。
  • ●よって、「日本パン公正取引委員会」が1斤の定義を340g以上と定めることになり、「包装食パンの表示に関する公正競争規約」において、パンの包装に「1斤」「1斤は340g以上です」などの斤表示をするように義務付けられました。(義務化は平成24年5月31日)
  • ●調べていく中で最初に覚えた違和感も解消できました。食パンは製品の特性からどうしても重量にバラツキが出るため、最低重量を保証内容重量に「以上」をつけて表現するようになっています。
  • ● 「斤」の表示は次のように決まっています。
※分数・少数のどちらも表示可能
「半斤」→「0.5斤」など

「1斤」の食パンを実際に計ってみました

  • ●調べて行くうちに市販品(1斤)の重量が気になり計ることにしました。
使用した電子天秤:メトラー・トレド製 PR5003DU 秤量:5kg 最小表示:0.001g          
  • ●もちろん製品毎のバラツキはあると思いますが、大きさや形状は様々ですが保証重量内容の340gから+10~20%程の重量でした。
  • ●今回計ったパンはいずれも「1斤」と表示しているものですが、「ダブルソフト」は重量換算すると1.2斤近くもあり、表示を見ただけでは判断ができないということがわかりました。
  • ●ちょっと変わった単位「斤」についてご紹介いたしました。朝食で食パンが出てきたときには、ご紹介した「斤」についての豆知識を話題にしてみてはいかがでしょうか?

【参考文献】

■日立ハイテク 「少しかしこくなれる単位の部屋:斤」

■日本パン公正取引協議会 公式サイト

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