{{navs.title}}

TOPICS

2022.12.08

校正のトピックスNo.617
【校正作業とデジタル技術の活用について】

近年、本格的にデジタルトランスフォーメーション(DX)の重要性が広く認知され、企業としてお客様の為にDXに取り組む事は必須となり、全社的レベルで取り組む最重要項目へとシフトしています。

DXの要点については経済産業省のHPを参照して下さい。
経済産業省
└ 産業界におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)推進施策について

そこで今回は業務プロセスにおけるデジタル技術の活用で、当社において校正作業の課題解決に至った具体的なケースをご紹介します。

ウェルドチェッカー校正について

  • 今回、デジタル技術を活用した具体的な校正作業はウエルドチェッカーです。
  • ウェルド”とは溶接のことで、ここでは“抵抗溶接”を指します。
  • 抵抗溶接とは、まず溶接したい二枚の金属版同士を重ね合わせ、棒状の電極で上下から挟み加圧します。
  • その電極から溶接電流を流すことで発生する抵抗熱によって接合部が溶融し、やがて溶融部が冷却凝固し二枚の金属版を接合する事ができます。
  • ウエルドチェッカーは抵抗溶接の管理項目の可視化や良否判定、制御など、溶接品質を管理する機器で、校正の方法は電流や電圧値、通電サイクルを読み取る“比較校正”になります。

従来の目視による校正方法

  • ●お客様の条件によっては1製品に付き複数の個所を連続して溶接する事があります。
  • ●通電サイクルも1箇所の溶接につき数秒程で完了する場合も多く、このような条件の下、全ての溶接についてその電流値や通電サイクルの値を標準器と被測定器同時に読み取るのは至難の業であり、例え二人の作業員を配置して目視で確認したとしても作業ミスに繋がり兼ねません。
  • ●そこで通常は、まずお客様と相談させて頂いた上、例えば1製品に付き3回の溶接を行う場合には確実に読み取る事が出来る最後の3回目の値を測定結果とし、これを3セット繰り返す事で合計3つの測定結果を取得する方法が従来の校正方法となります。

デジタル技術の活用

  • ●ただし従来の校正方法では冗長時間が発生する為、校正ポイントや校正対象となる溶接機の数が増えてくると決して効率の良い作業フローとは言えません。
  • ●そこで弊社ではDXを見据えた業務フローのデジタル化、すなわちデジタライゼーション(Digitalization)の一環として、お客様にご協力頂き被測定器の表示画面の動画撮影を試みました。
  • ●皆さんご存じの通り、数万円程度のカメラであってもその性能は高く、高機能・高解像度により非常に鮮明な映像が撮影出来ます。またPCと連携させれば使い勝手もより一層向上し、作業終了後の確認作業も短時間でより確実に行うことが可能です。
  • ●例えば動画ファイルにはメタデータとしてタイムスタンプが含まれており、標準器と被測定器の映像を時間軸上で同期させ、見たい期間を引き延ばしたりスロー再生を行う事で目視では読み取り困難だった作業でも、容易に作業が出来るようになります。

お客様の校正に関する課題解決に、是非一緒に取り組みましょう!

さて、校正作業である点を踏まえ、ここで重要となるいくつかのポイントがあります。

  • ●業務効率が大幅に向上し校正作業時間の短縮にも繋がり、その結果、生産への影響を極力少なくできます。
  • ●動画を後から再生・再現させることで、改めて内容を確認する事ができ、場合によってはお客様に対し直接提示する事も可能である点。何か特異な現象や問題が発生した際、即座に情報の共有・対策が可能となるでしょう。

従来、測定条件次第では不可能であった校正作業が、最新のデジタル技術やデジタルツールを活用する事で可能になりました。これにより、お客様に対し校正業務における新たな価値やサービスの提供が実現しました。 今後は、測定値やタイムスタンプなどのメタデータを意識しつつデジタルデータを有効利用する事に繋げていきます。

上記内容についてのお問い合わせ(Mail・TEL)/資料請求