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2023.10.05

【 有効径測定における測定力の影響を調べてみました 】

校正のトピックスNo.651

有効径測定は「測定力」が影響するの?

  • ● 一般的に長さ測定では、「温度」による影響が大きいことがわかっていて、異なる温度では測定結果に差が生じてしまうため、
    工業的長さ測定の標準温度は「JIS B 0680:2007(ISO 1:2002)」で20℃と決められています。
  • ● 一方で、ねじプラグゲージの有効径測定における「測定力」による影響はどうでしょうか。
  • ● 硬い金属でも、力が加わるとわずかではありますが変形(弾性変形)するため、測定結果に影響するのではないでしょうか?
  • ● そこで、今回はねじプラグゲージの有効径測定における「測定力」に注目し、測定力が加わると長さがどのくらい変化するのかを実際に試してみました。

測定力を変化させて測定してみました

  • 万能測長機の「測定力」を変化させて測定してみました。
  • ● 今回の実験で測定してみるのは、M28 X 0.75の「ねじプラグゲージ」です。

■測定条件

・測定の種類:ねじプラグゲージ(M28×0.75)の三針ユニットによる有効径測定
・測定器  :万能測長機

■測定結果

測定力 [ N ] 有効径 [ mm ]
1 28.2505
3 28.2417
4 28.2371
4.4 28.2363
5 28.2358
7 28.2357
8 28.2359
9 28.2358
10 28.2357

・「測定力:1~4N」は「測定値(有効径)」にリニア的に影響していることがわかります。
・一方、「測定力:5~10N」では「測定値(有効径)」にほとんど影響がないことがわかりました。

有効径測定は「測定力」が影響する!

  • ● 今回、ねじプラグゲージの有効径測定には「測定力」が影響することがわかりました。
  • ● しかし、当初「硬い金属でも、力が加わるとわずかではありますが変形(弾性変形)するため、測定値に影響する」と考えたのですが、今回の測長機による測定実験では、比較的変形が少ないであろう1~4Nの測定力では安定して測れていないという結果となりました。
  • ● なお、この結果は「JIS B 0261:2020 平行ねじゲージ−測定方法」の「表2−推奨する測定力及び接触長さ」で推奨する測定力(N)を裏付けることになり、日々の測長機を使った校正作業として私自身も納得のいくデータを取得することが出来ました。
  • ● 当社では、ねじの基準となる、ねじゲージ類の校正に力を入れて取り組んでおり、 「甲府サービスステーション」では、測長機(トリモス社)を使って、精度の高い校正を提供できる体制を整えております。

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