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TOPICS
業務に活える校正技術情報
2024.04.25
NKSメールマガジン No.3
▶ あるお客様から「どの監査・審査にもパスするバリデーション仕様を決めたい」というご相談を受けたことがあります。
製品の安全性を第一に考えつつも、グローバル化によりいろいろな規格やガイドラインに対応していく必要のある近年では、ある面ではどのお客様もこのように思っている部分があるのではないでしょうか?
そこで、 今回はどのようにして当社が客観性を追い求めバリデーション(適格性評価)の仕様を考えたのかを「インキュベータ」を例にしてご紹介しますので、バリデーション(適格性評価)の考え方の一つとして、参考にしていただければ幸いです。
① 要求規格・業界規格などの調査・解明
インキュベータに要求される規格や取扱説明書等から、必要とされる機能を明確にします。
規格:業界規格(日本試験機工業会) JTM K 01 恒温恒湿槽
機能:限定された温度を管理する
② メーカ資料などの調査・解明
メーカの機器仕様書・取扱説明書等から、インキュベータを構成している機器を調査し、それぞれの機能を明確にします。メーカと協業することもあります。
構成機器の例:循環ファン
構成機器の機能:所定量の空気循環
③ 設備と機器の機能関連図の作成
インキュベータに「要求される機能」と「構成している機器の機能」を系統立てて関連図をつくります。
※「機能関連図」につきましては以前のコンテンツ「当社のバリデーション(適格性評価)の客観性【機能関連図】」を参照ください。
④ バリデーションの基本仕様書の作成
客観性を明確にするため、下記の項目を主に記載します。
「検証項目」「規格標準」「当社標準」「決定された仕様」
この書類を、当社はバリデーション「個別評価仕様書」と呼んでいます。
▶ 当社のバリデーション(適格性評価)仕様は「 ①の調査・解明 ~ ④バリデーションの基本仕様の作成 」まで、一連の作業を行いますので、設備・装置によっては約1ヶ月~かかることもあります。
そんな一連の作業を繰り返していくうちに、「インキュベータ」「低温インキュベータ」「CO2インキュベータ」などの既製品として量産された装置においては、ほとんどの機能に大きな違いがないことがわかりました。そこで当社では、それらを個別の適格性評価の仕様としてまとめて、テンプレートとしました。
それが、バリデーション「個別評価仕様書」です。
そのバリデーション「個別評価仕様書」を基にお客様と打合せ、お客様それぞれの個別の要求事項を反映することにより妥当性の高いバリデーションの「適格性評価」が実施できると考えています。適格性評価の仕様の主な項目は以下の4つです。
・「評価項目」:評価を実施する対象項目
・「評価方法」:評価を行う方法
・「期待される結果」:評価結果に対する期待される結果(判定基準)
・「評価環境」:評価する環境
次にバリデーション「個別評価仕様書」の種類をご紹介します。
▶ 当社の適格性評価の仕様をテンプレートとしてまとめた、「バリデーション(個別評価仕様書)」は現在のところ、以下の35の設備・装置です。
設備の適格性評価業務(IQ・OQ・PQ)
上記、「設備の適格性評価業務(IQ・OQ・PQ)」に無い、設備・装置も機能が似ていれば類似の資料をベースにすることが可能であると思います。また、設備・装置の名称は呼び方の違いもありますので、対応可能かどうかは当社までご相談ください。
▶ 当社では「機能関連図」や「個別評価仕様書」などの社内資料を用いて、経験だけに頼ることなく、その根拠をあきらかにしながら説明できるプロセスを経たうえでバリデーション作業を実施しています。
「どの監査・審査にもパスするバリデーション仕様を決めたい」に対して
当社はフィールドでキャリブレーション・バリデーションを専門として実施する第三者の立場から、当社として客観性(誰もがそうだと納得できるそのものの性質)を高めるため、各種規制・規格の要求内容や定義を具体化(具現化)することを軸に評価基準をお客様と決め、説明できる、納得してもらえるバリデーションドキュメントをお届けする努力を続けています。
バリデーション(適格性評価)について「無料オンライン相談会」からご相談していただくこともできます。