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COLUMN
コラム
2025.03.10サービス / ソリューション
導入時だけじゃない!製造設備の 「 バリデーション 」
実生産に入ってからのバリデーションの流れと校正の関係は?
- 以前、お客様から 「 バリデーションの流れと校正(キャリブレーション)の関係を分かりやすく説明する資料はありませんか? 」 とのご相談をいただき、かなり苦戦をしながら図式化したことがありました(⇒ 「 第631号 バリデーションの流れと校正(キャリブレーション)の関係がパッと見てわかる! 」 )。
- 先日、そのお客様より 「 実生産に入ってからの校正やバリデーションの流れはどうなんでしょうか? 」 とのご質問がありました。その図を見直して見ると、製造設備の開発から試運転までの流れとなっており、実生産に入ってからはどうような流れになるのかわかりませんでした。
- そこで、今回は 「 製造設備のライフサイクル的な要素を入れて図式のブラッシュアップ 」 を考えてみたいと思います。

導入時だけじゃない! 「 再校正 」 と 「 再バリデーション 」
- 「 校正 」 や 「 バリデーション 」 は設備導入時の対応に注目が集まりがちですが、実生産にはいってから、その設備が廃棄される直前まで繰り返し行うことになります。
- とりあえず、その 「 再校正 」 と 「 再バリデーション 」 の意味を規格を基に考えてみましょう。
再校正
- JIS Q 9001:2015(ISO 9001:2015)品質マネジメントシステム−要求事項に 「 再校正 」 という言葉は使われていませんが、7.1.5.2 測定のトレーサビリティには、定められた間隔で校正や検証を行うことと記されており、繰り返し再度行うという意味でここでは 「 再校正 」 と呼びます( 各関連する仕様が変わらない限り基本的に同じ条件で 「 校正 」 を繰り返す、という重要な意味も 「 再校正 」 に含めています )。
- JIS Q 9001:2015(ISO 9001:2015)品質マネジメントシステム-要求事項
再バリデーション
- 「 GMP省令 」 では 「 再バリデーション 」 は以下のように定義されています。
- 医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準に関する省令の一部改正について(薬生監麻発0428第2号令和3年4月28日)
- このように、 検討事項や作業量が多く、設備導入時の対応に注目されがちですが、適切に管理された状態を維持していることを再確認していくことは、規格にも記載があるとおり、実生産段階でも「 再校正 」「 再バリデーション 」 が重要なことがわかります。それは、長期にわたる実生産だからこそ非常に重要とも言えるのではないでしょうか。
実生産のサイクルまで含めた流れを図式化してみました
- お客様のご希望を踏まえ、 「 実生産 」 までの製造設備のライフサイクル的な要素を入れてみました。
- 「 再バリデーション 」 については、この図の中では、再バリデーションの中の 「 再適格性評価 」 という言葉で表現しています。これは製造設備( GMPハード )に焦点を当てているためです( PIC/S GMPには 「 RE-QUALIFICATION 」 と記述されています )。
- 規格に記載されている 「 定められた間隔 」 とか 「 定期的 」 のタイミングは、定期保全で製造設備が定期に停止すること、そしてそれは 「 バリデートされた状態でなくなるタイミング 」 であることでもあり、「 製造設備( GMPハード )の定期保全 」が最適であると考えました。なお、定期保全の周期の多くは1年(あるいは2年)が多いようです。
- ここでは一つの考え方を示しました。参考になれば幸いです。
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- このように 「 実生産 」 においても多くの 「 校正( キャリブレーション ) 」 と 「 適格性評価 」 が必要になることがわかります。
- リスクとコストのバランスを考えながら 「 再バリデーション 」 でなにをどのように実施していくのか、それぞれの現場に合った最適な方法を考えてみてはいかがでしょうか。

- リスクとコストのバランスを考えながら 「 再バリデーション 」 でなにをどのように実施していくのか、それぞれの現場に合った最適な方法を考えてみてはいかがでしょうか。
- なお、 「 無料オンライン相談会 」 からご相談していただくこともできます。
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