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2011.04.07

校正のトピックスNo.93
【放射温度計】くせ者にご注意を。

NKS流「ためしてガッテン!」

測定値をかえるくせ者とは?

  • 以前のメルマガでは、放射温度計の視野欠けによる測定誤差、放射率を決める為のお助けツールについてお伝えしました。
  • 今回は、放射温度計で測定する際に、周りの状況で測定値がかわってしまうケースについてお伝えします。
  • 放射温度計は、安全で早く安定した測定が手軽に出来る便利な測定器として、さまざまな現場で使われています。
  • しかし便利な一方で、つやのある金属や水蒸気のある状況では、上手く測定出来ないケースがあるとお客様から聞いた事がありました。
  • 今回はそんなケースの時に、測定値にどの様な影響があるか疑問に想い、実験してみました。

水蒸気とつやのある金属で実験してみました。

    • 【使用した測定器】

      ○放射温度計 型式:HT-11 ミノルタ製 範囲:-50~500℃

      精度:±2℃±1dig

      ○ホットプレート 型式:HHP-411 アズワン製

    • 実験1:測定対象物の手前に水蒸気がある場合の温度を測定しました。
    • 実験2:対象物を鏡越しに測定しました。(ホットプレート上に黒体テープを貼り、100[℃]にして鏡に映しました。)


housyaondokei2.GIF

実験結果から

  • 実験1:水蒸気が無い場合は22.5[℃]でしたが、水蒸気がある場合は26.0[℃]となり、精度から外れました。
  • 実験2:ホットプレートが映っていない部分は23.7[℃]でしたが、黒体テープが映った部分の温度は43.2℃となり、大きく差が出ました。

周囲のくせ者を無くしてから測定することが重要です。

    • 放射温度計は物体から放射された赤外線エネルギーを測って温度に換算しています。
    • 空気は、赤外線エネルギーをほとんど放射しませんが、水蒸気は物体(湯気)の表面から赤外線エネルギーを放射しているため、測定に影響を及ぼします。

  • よって、測定する時には、現場毎で測定対象までの間に水蒸気や粉塵などのさえぎるものがないか確認してから測定する事をお勧めします。
  • また、鏡は赤外線エネルギーを反射してしまうので、鏡に写っている物体の温度も一緒に測ってしまいます。
  • よって、鏡の様なつやのある金属などを測定する際は、反射を防ぐ事が出来る様な黒体テープや黒体塗料などつやの無いものを表面に付けてから、測定する事をお勧めします。

関連情報をご紹介します。

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