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2022.08.25

校正のトピックスNo.603
【 k、m、μにくっつく単位と言えば?超大きい&超小さい接頭語が11月に仲間入り(予定)】

k、m、μにくっつくものといえば?

  • ●k、m、μにくっつくものといえばなんでしょうか?少し考えてみてください。
  • ●ケイ、エム、ミュー、ではなく、キロ、ミリ、マイクロと読むこととすれば、パッと思いつくものがあると思います。
  • ●私の場合、身近さから、長さの“m(メートル)”(km、mm、μm)を最初に思いつきました。
    (関連記事:校正のトピックスNo.601【接頭語「ミリ」:必ず単位と組み合わせて用いられます】
  • ●液体を扱う試験室や化学プラント系だと体積L(リットル)で、kL、mL、μL、また電気・計装系だとA(アンペア)で、kA、mA、μAという方もおられるかもしれません。あるいはそれ以外も、、、?
  • ●ここで挙げた、 k、m、μはご存知の通りSI接頭語です。
  • ●接頭語はそれぞれ10のべき乗を表して、大きな、あるいは小さな量を端的に表すことができます。
  • ●例えば髪の毛の太さ。
  • ●長さの基準はm(メートル)なので、直径  “0.00008m” 程度です。といってもよく分からないのが正直なところではないでしょうか。しかし、0.08mm程度といえば1mmの1/12程度なので、どの程度の細さかイメージできると思います。
  • また、大きい数字の例として、ボンベ(高圧ガス容器)内の圧力14.7MPaは、接頭語を使わないと 14,700,000Pa となり、やはり感覚的にどの程度高圧なのか、よく分からないのではないでしょうか。
  • 接頭語を併用することで、ゼロを一生懸命数えなくても、量を感覚的につかみやすくなります。
  • この接頭語の種類が、11月に増える予定です。

増える接頭語は全部で4種類

  • ●先に挙げたk、m、μ以外にも接頭語はたくさんあります。
  • ● m(メートル)などのSI単位と共に用いられるものはSI接頭語と言われ、これまでは10の±24乗の範囲のものが認められてきました。
  • ●ここに、以下4種を増やす提案がされる予定です。(図の青字部分)
  •   ・ 10の30乗 クエタ( quetta、記号Q )
  •   ・ 10の27乗 ロナ( ronna、記号R )
  •   ・ 10の-27乗 ロント( ronto、記号r )
  •   ・ 10の-30乗 クエクト( quecto、記号q )
  • ●因みに10±6以上の接頭語は、
  • ●大きい方(倍量側)の末尾はaで終わり、記号は大文字
  • ●小さい方(分量側)は、oで終わり、記号は小文字という規則があります。
  • ●今回追加された接頭語もその規則に沿っていますね。

数値が大きすぎて宇宙規模

  • ●接頭語の範囲拡張は、昨今のデジタル情報量の爆発的な増加があります。が、当社はIT企業ではないので、自社で扱う物理量に当てはめて大きさの程度を考えてみます。
  • ●当社が扱う物理量は長さや温度、圧力、電気量など様々ですが単位としては、大きい方がG(ギガ)や T(テラ)、小さい方はμ(マイクロ)あたりで、大体はその間( 10の9乗~10の-6乗)に入ります。
  • ● 現状最大のヨタ(10の24乗)の時点で、1兆( 10の12乗)の1兆倍という、よく分からない大きさ。
  • よく分からない、何か大きいものと言えば『宇宙』です(異論は認めます)。
  • 1秒間に30万km進む光が、1年間で進む距離(1光年)は約9.5兆km。途方もない距離ですが、接頭語を付けて表すと、約9.5ペタメートル(9.5*1015m)で、まだまだ大きい側の接頭語が余っています。
  • 地球から観測できる宇宙の果ては138億光年だそうです。距離は約130.6ヨタメートル、となりやっと現状接頭語の上限に到達しました。世の中にこれ以上大きなモノ(?)は存在しません。
  • 138億光年を新しく増える予定の接頭語で表すと、約0.13ロナメートル(0.13*1027メートル)。宇宙最果てまでの距離を小数点以下で表すことができてしまいました。
  • クエタ(10の30乗)が加われば、1000兆(10の15乗)の1000兆倍。天文学的数値で、もはや例えるものが思いつきません。
  • しかし考えてみるものです。質量だと使いきれそうだと思いつきました。
  • 地球と太陽の重さは以下で、10の24乗や10の30乗のオーダーです。
      • ・ 地球の質量 ≒ 5.972 × 1024 kg
      • ・ 太陽の質量 ≒ 1.9891 × 1030 kg
  • kgには接頭語が付けられないので、グラムで標記するとクエタを使えました。
      • ・ 地球の質量≒5.9ロナグラム
      • ・ 太陽の質量≒1989クエタグラム(地球の約33万倍)
  • 使いきれないと思ったクエタですが、太陽の質量に使えました。宇宙にはその太陽の数百億個分の質量をもつブラックホールがあるとのことで、、、、『宇宙すごい』。

使う機会は(たぶん)ないけど、話題として知っとくと少しイイかも

  • ●今年11月の国際度量衡総会で接頭語の追加が承認されれば、先日kg(キログラム)の定義がキログラム原器から変わったときのように話題になるかもしれません。
  • ●使う機会は恐らくない程の超大きい、また超小さい接頭語ですが、上手い例えを考えておくと、話題が出た時に少しドヤァとできるかもしれませんね。

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